鉄筋コンクリート造の建物は耐久性に優れており、木造と比べると築年数が経っていてもシロアリの被害などが少なくしっかりしていると注目されています。最近は中古物件を購入してリノベーションすることで新築同様にきれいな家を手に入れる流れが出てきましたが、鉄筋コンクリート造の中古物件は築年数が経っていてもしっかりしているため人気です。
では、鉄筋コンクリート造の家をリフォームする際はどのような点に注意したら良いのでしょうか?木造と建物と違う点はあるのでしょうか?
鉄筋コンクリート造の建物とは?
RC造(鉄筋コンクリート造)とは?
鉄筋コンクリート造を表す「RC造」のRCはReinforced Concreteの略で、直訳すると「補強されたコンクリート」となります。その言葉の通り、鉄筋コンクリート造は鉄筋で補強されたコンクリートで構成されています。
鉄筋とコンクリートにはそれぞれ以下のような特徴があります。
鉄筋 | コンクリート |
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引っ張る力には強い 熱に弱い 錆びやすい |
引っ張る力に弱い 熱に強い |
鉄筋とコンクリートはこのように相反する特徴を持っています。2つの材料を組み合わせてそれぞれの欠点を補い合うことで、耐久性の高い建物を生み出しています。
「鉄筋コンクリート」になることで具体的には下記のようなメリットを持ちます。
- 地震の力を吸収しバランスよく分散する「耐震性」
- 木造より強くシロアリの被害もない「耐久性」
- 1000度に2時間晒されても平気な「耐火性」
- スキマが無く熱を外に逃がさない「断熱性」
鉄筋コンクリートによる2種類の構造
鉄筋コンクリート造の構造には2種類があります。
ラーメン構造 | 柱で支える構造。壁を撤去しやすいのでより広い空間を作りやすい。低層マンションから高層マンションまで幅広く使われている。 |
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壁式構造 | 壁で支える構造。梁や柱が出っ張らず、遮音性や防音性に優れている。低層マンション中心に使われている。 |
中古物件のリフォームに多い要望が、「広いリビングが欲しい」「部屋を複数作りたい」などの間取りの変更に関わることです。間取りが変更しやすいのはラーメン構造の物件で、例えばマンションであれば隣戸との境目になっているコンクリートの壁以外は簡易的に作られていることが多いです。そのため間取りを変更したいなら簡単に壁をとり壊すことが可能です。
鉄筋コンクリート造の建物をリフォームする際の注意点
鉄筋コンクリートの建物を建て替えると費用は高額に!
家が古くなってきたので綺麗にしたい……というとき、一度すべて解体して建て替えをするか、リフォームをするかという2つの選択肢があると思います。そのときもし家が鉄筋コンクリート造なら、建て替えを選ぶかリフォームを選ぶかで必要な費用が倍変わることがあるので注意しましょう。
建て替えをするならもともとの建物は解体する必要がありますが、鉄筋コンクリート造の場合は解体費用が木造住宅のおおよそ2倍近くかかることがあります。さらに、更地にした後新たにまた鉄筋コンクリート造の住宅を建てようとすると、こちらも木造住宅の2倍近くの費用が必要になります。
構造躯体を活かしたリフォームを
築年数が古い鉄筋コンクリート造の建物をリフォームするのならスケルトンリフォームによってメンテナンスするのがおすすめです。
スケルトンリフォームとは、建物を一度骨組みだけの状態にして全面的にリフォームすることです。大掛かりなリフォームになりますが、家の内部までしっかりとメンテナンスした上で家全体の性能を上げることが出来ます。しかし費用は建て替えの半分ほどで済みますので、比較的コスパが良い工事です。
安くリフォームしたいなら1981年以降の物件を選ぶ
築年数の古い建物の中には新耐震基準を満たしていない建物もあり、場合によってはメンテナンスができない場合もあります。これからリフォームを前提に中古マンションを探す場合は1981年以降のマンションを選びましょう。
構造の違いに注意!
先ほどもご紹介したように、鉄筋コンクリ―ト造の建物にはラーメン構造の建物と壁式構造の建物との2種類があります。鉄筋コンクリート造の建物はリフォームに適していると言ってもこの2つの構造には特徴に大きな違いがあります。この違いを理解しないまま物件を選んでしまうと希望するリフォームができない可能性があるので注意しましょう。
リフォームを機に生活の見直しを!
リフォームは家を綺麗に新しくできるといったメリットだけでなく、生活環境を見直して今の暮らしに合った住まいを手に入れるきっかけになります。もともと住んでいた家をリフォームするにしても、中古物件を購入するにしても、大規模なリフォームをするのであればできるだけ希望に近づけたリフォームを成功させたいですよね。
今のライフスタイルに合った住まいを手に入れるために、建物の構造についてしっかり理解しておきましょう。