古民家リフォームは新築で家を建てる場合と同じか、新築よりも高額になることが多くあります。それでも代々住み続けてきた家を残したいという思いもありますよね。
古民家はどのようにリフォームできるのか、リフォーム時にはどんなことに注意すればよいのか見ていきましょう。
古民家のリフォームによって何ができるの?
古民家のリフォームは普通のリフォームと何が違うのでしょうか。また、リフォームによってどんなことが実現するのでしょうか。
古民家のリフォームは基本的に依頼者の希望に沿って行いますが、内装や外装をすべて外した骨組みだけを残しほぼ一から家づくりをするケースも珍しくありません。
このようなリフォームによって、今家に住む家族のライフスタイルを優先した家づくりができるだけではなく、長年使われてきた太い柱や梁を残すことによって伝統的な日本家屋の雰囲気も残すことができます。
古民家リフォームを実現した方の実際の声
山口県 築125年 伝統構法
明治25年に建てられた非常に古い家のリフォーム例です。
依頼者にとっては「ご先祖様が建てた大切な建物なので壊したくない」という思いが強かったものの、高齢化によって室内の段差がネックに。さらに水回りの経年劣化や土間の寒さも問題でした。
リフォームはリビングの吹き抜けや玄関ホールから、100年以上も立派に家を支え続けた梁の姿があえて見えるように設計。壁や床には断熱材を入れて冬の寒さを解決するとともに、床の段差も解消しました。
岐阜県 築100年 伝統構法
リフォーム前は25年間も空き家だった邸宅のリフォーム例です。
寒い地域の古民家なので暖かく快適に住めるようにリフォームしたい、薪ストーブや囲炉裏のあるリビングにしたい、などの希望がありました。
もともとは三間続きだった和室の梁を見せつつ、木の温もりを感じる一続きのリビングダイニングにして、薪ストーブと囲炉裏を設置。旧家のため耐震・断熱の現況調査を行ったうえで家全体の断熱改修も実施した結果、真冬でも暖かい、趣のある家に大変身しました。
古民家リフォームの例
この投稿をInstagramで見る
この投稿をInstagramで見る
この投稿をInstagramで見る
この投稿をInstagramで見る
古民家のリフォームで注意したいこと
建物ごとに可能なリフォームが異なる
古民家のリフォームには、大きく分けて3種類あります。
一般リフォーム | 柱や梁など主要な構造部分は触らず、水回りや床、壁などの単位でリフォームするもの |
---|---|
半解体リフォーム | 壁や屋根を外して床の沈みを調整したり、柱のバランスを調整したりするリフォーム |
全解体リフォーム | 家を一度バラバラに解体し、まだ再生できるものを部分的にリフォームしていく方法。バラバラにした家の構成部品を別の土地に運んで立て直すことは移築再生と呼ばれています |
リフォームしたい古民家の傷みが激しいと、一般リフォームでは不足の場合もあります。シロアリ被害などがあると、もともとの部材ではリフォームや耐震補強に耐えられない場合もあります。
新築するより高額になることも
古民家は多くが耐震基準など現代の安全基準を満たしていないため、リフォームでそれらを補強するのに多くの費用がかかります。新築住宅を建てるよりも高額なリフォーム費用が必要になる場合があるのはそのためです。
より費用を抑えて満足のいくリフォームを行うには、事前の業者選びが大切になります。最近では古民家のリフォームやリノベーションの需要が増えてきたのもあり、古民家を得意分野として打ち出している業者もあります。
さいごに
最近では古民家をリノベーションして第二の人生の住まいにしたり、民宿やシェアハウスとして貸し出す動きも活発になってきています。
古き良き日本の伝統的な雰囲気が好きだという方、今住んでいる家の雰囲気は損なわずに快適にしたいという方は、一度古民家のリフォームを考えてみてはいかがでしょうか。